千葉県総合企画部政策企画課主催の『人口減少セミナー』において
城西国際大学観光学部の学生さん向けに、
『人口減少時代の持続可能なまちづくり』の講義をおこないました。
まず初めに、日本の人口減少の状況と、
人口減少によっておこる地域の課題を説明しました。
日本は2008年に人口のピーク(約1.2億人)に達し、
その後、緩やかに人口が減ってきています。
じつはいまの学生さんたちが60歳になる、2060年ごろには、
人口が9000万人を割るともいわれています。
じつにいまの人口の1/4が減るわけですね。
そうなると、税収が減った地方はインフラの維持や
公共サービスの提供が十分にできなくなります。
人口が減ると商店などのサービス需要が減り撤退するので、
ますます住みにくくなり、人口が減っていくスパイラルに陥ります。
いまある仕事も、無くなってしまうかもしれませんね。
ではどうすればよいのか?
特効薬はありませんが、
「1つの課題は複数の課題と複合的に繋がっている」ことを理解し、
冷静に状況を判断する能力を身に付けることが重要です。
観光学部の学生さんたちでしたので、
観光というものは裾野が広く、様々な産業に良い影響を与えることができるので、
是非、地域やまちづくりも考えながら観光について勉強してほしいと伝えました。
その後、SDGs (Sustainable Development Goals) 、
すなわち「持続可能な開発(発展)目標」を取り上げました。
人口減少によって地域の課題がさまざまな形で身近なものとなっています。
そういったローカルな課題は、じつはグローバルな課題ととても近い位置にあります。
貧困と気候変動はSDGsにおけるもっとも重要なテーマです。
例えば人口が減って森や田畑が荒廃すると、
そういった地域では気候変動の煽りを受けて、災害時に危険が及びます。
地方では高齢化や担い手不足で一次産業の衰退が課題となっていますが、
食料が取れなくなると私たちの安心、安全な暮らしは今後どうなるのでしょうか。
貧困、飢餓といったものは極端な話かもしれませんが、
現実に起こりうることとして目を向けなくてはならないでしょう。
次は聖徳大学さんでお話する予定です。