bayFM「Motive!!」に出演しました。

(写真提供:ベイエフエム)

はじめに

bayFMのMotive Plus!で長柄町で開発した新たな特産飲料「ながらとガラナ いろはにほへと」の紹介をしていただきました。ミライノラボ代表の田島と学生研究員で法政経学部4年生(当時)の藤澤ちひろが出演しました。

自己紹介と長柄町の紹介

安東弘樹アナウンサー(以下A):日本全国午前11時を回りました。「MOTIVE!!」生放送でお送りしております。安東弘幸です。

宮島咲良アナウンサー(以下M):宮島咲良です。さあこの時間は「MOTIVE!! PLUS」。毎週旬なネタやトレンド、気になるアレコレを深掘りしていきます。

A:最近どうも元気が出ないという皆さん…きょうは、いろんな意味で「体の中から元気が湧いてくる!」そんなお話を、ゲストの方に、伺っていきたいと思います!

1年前の大型台風で大きな被害を受けた「長柄町」の復興を目指し町を元気にしようと、なんとオリジナルの「ガラナ飲料」を作ってしまった。千葉大学国際教養学部助教田島翔太さん、そして法政経学部4年、藤澤ちひろさんです。こんにちは!

田島(以下T)、藤澤(以下F):こんにちはー。

T:よろしくお願いします。

A:ということでこの二人は、千葉大学の先生と学生さんということなんです。ただ学部が、先生の田島さんが国際教養学部、そして藤澤さんが法律・政治・経済あわせた法政経学部と違うんです。どういったことがコラボレーションになったんですか?

T:今日ご紹介するガラナ飲料の開発を、去年千葉大のどの学生でもとれる授業ということで開講しまして、そのときとってくれた学生の代表ということで、今日藤澤さんに来てもらいました。

試飲会

学内での試飲会の様子(2019年)

F:はい。

A、M:なるほど!

M:まず「長柄町がどのあたりにあるのか?」一応おさらいしておきますと、位置的には千葉県のど真ん中!千葉市がチーバくんの「のどもと」だとすると、だいたい「心臓のあたり」になります!

A:ちなみにどんな町なんでしょうか?

T:市原市と茂原市のちょうど間に挟まれているかたちで、多分皆さん車で通過していくような場所だと思うんですけれども、ちょうど緑豊かな里山の風景が広がっているところなんですね。人口が6700人弱しかいないので、千葉県内でも2番目に人口が少ない小さな町です。

長柄町の風景

農業が主の産業になっていますので、お米とかタケノコとか、ちょうどいまイチジクが終わったあたりです。また自然薯とかイチゴとか年間を通していろんな作物が取れるところですね。

タケノコ掘りの様子(撮影:長柄ふるさとネッツ)

A:なるほど。では、その長柄町と千葉市稲毛区の千葉大学の接点というのはどういうことなんですか?

T:そうですね。ちょうど2015年から長柄町と千葉大学が地方創生の連携協定というのを結びまして、ちょっと難しい言葉なんですけれど「生涯活躍のまち」という国の施策の一つで、まちづくりに取り組んでいます。

千葉大のほうで色々な学部があるんですけれども、医学部とか工学部とか園芸学部とか色々な先生がかかわって、健康なまちづくりをしましょうとか、人口が少ないので、移住定住って言うんですけど、たくさんの人に来てもらうようなPRも5年ぐらいやっている状況ですね。

千葉大生が作った長柄移住定住ガイドブック

「ながらとガラナ いろはにほへと」の紹介

A:そんな千葉大と長柄町の関係なんですけれども、ガラナ飲料開発プロジェクト、これ藤澤さん、まずどんなものなのか教えてもらっていいですか?

F:はい!長柄町のPRとして地元企業、町役場、千葉大学生がチームとなって開発した炭酸飲料となっています。「ながらとガラナ いろはにほへと」という製品名や、横穴群をモチーフにしたパッケージ、それと中身の飲料水を透明にすることで、長柄町を缶から、前面に感じてもらえるようにしました。

ながらとガラナ

ながらとガラナ いろはにほへと

A:そもそもこのプロジェクトが発足したきっかけから聞いてもいいですか?

F:先ほどもありましたように長柄町と千葉大学が2015年から地方創生の連携をとっていた関係で、2019年明けごろから「長柄町の特産の飲料水を作ろう」と始まったのがこの企画です。

役場職員との開発検討の様子

A:なぜ特産品に「飲料水」を選んだんですか?

F:はい。主に2つ理由がありまして、1つは飲料メーカー(ジャパンフーズ株式会社)や香料メーカー(ナリヅカコーポレーション)の事業所が町内にあったため、地元の企業と連携がとりやすいということ。もう1つが、長柄町にダムがあることから、きれいで豊富な水のイメージを飲料水によってあらわせるのではないかということで、飲料水を選びました。

春の長柄ダムの様子

大学生が作った特産飲料

M:でもやっぱりガラナって言うと、ガラナの簡単な説明ですけど、アマゾン川流域でとれる植物の種子で運動能力を高めたりとか、あと疲労回復とか滋養強壮の効果が期待できるっていうのはもう有名なことだと思うんですけど、でもその理由だけでガラナにしたんですか?

F:いえ、長柄町の「ナガラ」を2回重ねると、真ん中にガラナが出てくる、というところから学生がガラナがいいんじゃないかということでガラナが採用されました。

M:藤澤さんはガラナをご存知でしたか?

F:いえ、最初はガラナという言葉も知らなかったので、既存のガラナ飲料を飲んだりして、味の選定に臨みました。

M:そして完成したのが先ほどご説明ありましたけども「ながらとガラナ いろはにほへと」。素敵な可愛いお名前なんですけれども、さっき無色透明ということも仰ってましたし、ちょっと気になることがいっぱいなので、私たち今から、いただきますね。

A:缶を開けますね。

M:開けましょう。よいしょ!コップに出してみますね。…あ、本当だお水みたい!

A:炭酸水ですね。いわゆる無色の。

M:でも結構シュワシュワが強めですね。

A:あ、香りもガラナだ。

M:いい香り~。

A:これいいな、ちょっといただきますね。

M:いただきましょう。

M:あ、おいしい。

A:俺好きこの味。ちょっと薬というか薬草の味もありながら、

M:でもすっごいさわやかで、のどごしもいいし。色が透明だと、ガラナの印象も変わりますね。やっぱりこの無色透明はこだわられたんですか?

F:そうですね、やっぱり、水っていうのを重視して透明のものにしました。

A:美味かったです!でもこれ「ながらとガラナ」までは分かるんですけど、「いろはにほへと」も含めて、ネーミングとかデザインも学生さんがやられたんですか?

F:そうですね。学生がメインとなって考案いたしまして、ネーミングは「いろはにほへと」という物語の始まりというところから、長柄町の新たな物語の始まりというイメージを表現しています。パッケージは先ほども申し上げた通り、横穴群の壁画から着想を得たものをデザイン科の学生がデザインしてくれました。

デザインの検討の様子

A:横穴群って横の穴の群れるって書いて横穴群なんですけども、これはどういうものなんですか?先生に伺いましょうか。

T:その言葉の通り山の崖の方に横に穴が開いている。それが古墳になっているんですけれども、今話に合ったように特徴的なのが中に人とか水鳥とか、昔の方が描いた壁画が残っていまして、そうしたものからインスピレーションを受けて、デザインにも生かしたんですね。

長柄横穴郡

長柄横穴群の見学

A:藤澤さんは実際に行かれたことはありましたか?

F:はい。一度連れて行っていただきました。こちらのパッケージの選定であったりネーミングの考案の際に、イメージとしてまず最初に行きました。

A:藤澤さんから見て、長柄町はどんなところですか?実際に商品化するにあたって、色々調べたと思うんですけれど。

F:思いのほか近いなっていうのが、行ってみて一番の感想で、実際に行ってみると、高い建物がすごく少なかったので、とても星がきれいに見えそうな場所だなと思っています。

コロナ禍の2020年の活動は?

A:先ほどは、長柄町の新たな特産品として「ガラナ飲料」を開発されたいきさつを伺いましたが、それが完成して今年2月からいよいよ町のPRとして配布を開始、というタイミングでおこった「新型コロナウィルス」の感染拡大!そのときは、どういう心境だったのでしょうか?

T:去年の授業でガラナを作るだけではなくて、どうやってファンを増やすか、学生と議論したんですけど、例えば道の駅で配りましょうとか、都内のイベントに行きましょうとか、全部年間のスケジュールも立てたのですが、残念ながら中止になってしまって、山積みになったガラナを前にして私が気にしたのは、頑張ってくれた学生たちのモチベーションがちゃんと維持できるかは気になりましたね。

A:そんな中、新しい取り組みが始まったんですよね?

T:そうですね。待っていても進まないので、卒業した学生も交えて色々なアイデアを出し合いました。オンラインでガラナを配布してPRすることはできないか、という意見が出て、オンラインであることを逆手にとって、学生だけでなく町民の方とか、町を出てしまって都内にいるけれど、オンラインならいつでも繋がれるので、という人とか、町の高校生とかも含めて「ながらとガラナと長柄町を元気にする会」というオンラインイベントを始めました。

ナガラの学校 参加者

オンラインワークショップ「いろはにほへと ガラナがつなぐナガラの学校」

A:藤澤さんは、プロジェクトに対しての気持ちとかいかがでしたか?

F:コロナ前に考えていたガラナの配布企画がすべてダメになってしまったので、正直マイナスからのスタートという気持ちで「ながら元気プロジェクト」に挑んだんですけれど、コロナ禍で進んだオンラインの利活用という面もあって、色々な人との意見の交換はしやすくなったので、そういったプラスの面もあったと思います。

A:藤澤さんは具体的にはこのながら元気プロジェクトでどういうことをされたんですか?

F:私は農業と筋トレを掛け合わせた「農業筋トレプログラム」というものを作成して、SNSにアップしております。長柄町では農業がとても盛んでして、高齢者の方が元気なのは、日常に溶け込んだ筋トレを農業を通じて行っているからではないかという発想から、農業と筋トレを掛け合わせた動画を公開してSNSを通じたプレゼントキャンペーンを行ってはどうか、というところからスタートしました。実際に多くの人の参加が見られまして嬉しく思っています。

農業筋トレ

農業筋トレキャンペーン

A:実際にプログラムを開発してみていかがでしたか?

F:学生側には農業の知識がなかったので、町民の方に、実際にどのような動きが筋トレに向いていますか?というようにオンラインで伺って、知恵を頂きながらプログラムを練りました。動画や写真の撮影も町民の方に依頼しておりまして、編集だったり投稿を学生の方でやっております。

A:高齢化が進む中で、町の方と学生さんが一緒になって台風被害からの復興や地方創生を目指す…素晴らしいことですね!

長柄町に今必要なこと

A:台風から一年がたち、長柄町の「当時の状況」「今」はいかがですか?先生。

T:去年の9月の台風で長柄町全域が停電してしまって、長いところは2週間以上電気が来なかった方もいらっしゃって、当時はすごく暑かったのを覚えているんですけれど、何より情報が届かなかったのが自分の中では印象に残っています。小さい町ですし、なかなかニュースや新聞でも取り上げづらいし、そもそも携帯電話もつながらない状態だったので。そういったところで人口が減って縮小していくなかで、どうやってまちを維持していくかを改めて考えましたね。

長柄町の台風被害

A:長柄町に今一番必要なことは何だと思いますか・

T:いろいろな課題があるんですけど、いつ同じような災害が起こるか、というのは日本全国どこも同じ心配をされていると思います。たとえば去年のような大規模な停電があっても、まちの中で自分たちでエネルギーを作ってしばらくの間は自分たちで必要な電力を供給するとか、そういったことも技術的にはできるはずなので、そういった考えを職員の皆さんやまちの方といっしょに考えていきたいということで研究を始めているところです。

役場職員との自家発電型トレーラーハウス「エコキャビン」の開発

M:藤澤さんは、長柄町での取り組みを通して、自分の中で変化や成長を感じることはありましたか?

F:今までは、問題が起こっていても自分の世界とは別の世界で起こっているという認識があったと気が付きまして、今回のプロジェクトを通して、もっと物事を自分ごととしてとらえる力が身についたかなと思っております。

A:藤澤さんみたいなこれからの日本を創っていく若い方は最近の日本についてどう感じていますか?

F:私は、子どもの貧困問題に興味があります。コロナウィルスの感染拡大の時にも記事で見たのですが、感染症拡大のしわよせが全部弱者のところに行ってしまうというのを読みまして、実際に食事がとりたくても給食がないと満足な食事が得られない子どもたちもいるという風に聞いていたので、難しい問題だなと感じました。

A:先生の立場から見た、大学生、若者の姿はどう見えていますか?

T:そうですね。社会課題とか、大人がやっていることを見ているなという風には感じますね。失敗してもいいので、色々な課題に挑戦して、いい社会を作っていってほしいと思いますね。

学生向けに実施したローカルSDGsセミナー

A:最後に、藤澤さんに、長柄町と千葉大との一連のプロジェクトに参加して感じたことや、皆さんへのメッセージはありますか?

F:私自身、地域振興というものに興味があったんですが、千葉県に住んでいながら、長柄町というまちを知らずに住んでいました。「ながらとガラナ いろはにほへと」で町の名前をまず知ってもらって、コロナが落ち着いたらぜひ立ち寄っていただきたいのと、私自身も星を見に行きたいなと思っております。

M:私たちも「ながらとガラナ いろはにほへと」を飲みながら引き続き、みなさんの活動を応援していきたいと思います!ゲストは千葉大学国際教養学部助教田島翔太さん、法政経学部4年藤澤ちひろさんでした!ありがとうございました!